2011年11月01日

浜岡原子力発電所津波対策

核兵器禁止平和建設国民会議(愛知核禁会議)のみなさんとともに中部電力浜岡原子力発電所の見学に行ってきました。
浜岡原子力発電所は現在運転停止をしておりますので、今回は地震・津波対策を中心とした説明を受けました。

まず始めに、福島第一原子力発電所の事故の直接的原因が、津波により「海水取水ポンプ」や「非常用電源」などの重要な機器が浸水し、原子炉を「冷やす機能」が失われたことにあると紹介され、そのうえで新たな対策として掲げられた、以下の3つの視点について説明がされました。

1 浸水防止対策~敷地内への浸水を防ぐ~
これはご存知の方も多いと思いますが、海岸線上に防波壁を建設するというものです。
浜岡原子力発電所の周辺は高さ10~15mの自然の砂丘堤防が海岸線に形成されており、東海・東南海・南海地震の3連動地震を踏まえ想定される最大津波(=8m)にも十分対応できるそうです。
しかしながら今回の東日本大震災級(マグニチュード9)の地震が起こった際に想定しうる津波(=10m)にも耐えられるよう、現在防波壁(=18m)を設置するための工事に入っておりました
でも、津波は本当に10mなの?と疑問に思います。
これに対しては、津波の高さを決定づける要素は「プレートの跳ね返り幅」と「海底までの深さ」であり、浜岡周辺の海域では東日本大震災のような津波の高さになり得ないとの回答をいただきました。

2 浸水防止対策~建屋内への浸水を防ぐ~
万が一にも1で設置した防波壁を津波が乗り越え敷地内が浸水した場合に、冷却用に使う海水ポンプ(通常は屋外にある)を防水構造の建屋内に設置するとともに、原子炉建屋内に水が入らないよう、建屋の入口扉をこれまでの防水扉から水密扉に取り替えたうえ、さらに外側に強化扉を新設することで、非常用発電機等を保護するそうです。

3 緊急時対策の強化~「冷やす機能」を確保~
1、2の対策をとってもさらに最悪の事態(=福島第一原子力発電所のように海水取水ポンプや非常用電源などの機能を失う事態)が発生した場合に備え、「注水」、「除熱」「電源供給」の3つの働きを保つための対策を何重にも行い、一週間程度で原子炉を冷温停止状態(※)に持っていくそうです。

参加者のみなさんとともに、詳しく学ぶことができ大変有意義な時間を過ごすことができました。

※原子炉内の水の温度が100℃未満の状態 福島第一原子力発電所では年内に冷温停止状態に持っていくとしています。  

Posted by 日比たけまさ at 22:51Comments(0)TrackBack(0)支援者
プロフィール
日比たけまさ
日比たけまさ
走ることは嫌いではありません。何事も「ひび挑戦!」で走りつづけます。
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。 解除は→こちら
現在の読者数 0人
QRコード
QRCODE