2012年05月28日

放射線の知識

先日の臨時議会では、「災害廃棄物の受入れ」について大きく時間が割かれました。

この問題は、今後も議会において議論の中心となるでしょう。

そうした中で、今日は1冊の本をご紹介します。

東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一先生が書かれた
「放射線医が語る 被ばくと発がんの真実」
です。

この本は、長年にわたり放射線医としてがん患者の治療に携わった先生が、事故後の福島の調査や広島、長崎、チェルノブイリのデータ分析を用いて、福島原発事故による放射線被ばくの問題をわかりやすく解説している本です。

特に、ロシア政府がチェルノブイリ原発事故後、25年目に際し発表した総括報告書の結論が紹介されており、非常に印象に残ったのでここに記載します。
「放射能という要因と比較した場合、精神的ストレス、慣れ親しんだ生活様式の破壊、経済活動の制限、事故に関連した物質的損失といった、チェルノブイリ事故による他の影響のほうが、はるかに大きな損害を人々にもたらしたことが明らかになった」

さらに、この本を読んで印象に残ったものを3点ご紹介します。
(すでにご存じの方も多い事象も含め、載せています)

・年間100ミリシーベルト以下の被ばくで発がんの増加は確認されていない

・チェルノブイリ事故の一般市民の死者(25年間累計)は15人
 なお、国際的にがんの増加が認められているのは唯一小児甲状腺がんだけです。
この時は当時のソ連が事故の情報を流さず、何も知らない市民(子どもたち)が高濃度の放射性ヨウ素に汚染された牛乳を飲んだことが、甲状腺がんを引き起こしたことが判明しており、日本では情報の周知徹底がされたことからこの被害は免れています。
なお、放射性ヨウ素は半減期が極端に短いため、すでに問題ありません。
ちなみに今、問題となっているセシウムは同じアルカリ金属のカリウムと似た物質で、福島で検出された放射性セシウムよりはるかに多い放射性カリウムが私たちの身体に存在します。

・入市被爆者(原爆投下後に爆心地から2㎞圏内に立ち入った人(2週間以内))の平均寿命は日本の平均より長い

本日、私がこの本を紹介した理由は以下に記す著者の主張をみなさんに知っていただきたかったからです。

・誤った情報によって植えつけられた恐怖心や不安に基づく行動で、さらに別の深刻な被害が生まれることを避けたい。
・放射線の正しい知識をお伝えして、風評被害を食い止め、正確な情報に基づいて行動することが被災地のより迅速な復興と一人ひとりの安心した暮らしを取り戻すことにつながると確信している。


今後もしっかり勉強していきたいと思います。
  

Posted by 日比たけまさ at 16:24Comments(0)TrackBack(0)支援者
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